企業向け情報漏洩対策ソリューション

24/06/11

安全なテレワーク環境を作る情報漏洩対策!

安全なテレワーク環境を作る情報漏洩対策

テレワークは私たちの勤務環境を大きく変えましたが、その利便性の裏にはセキュリティ上のリスクも潜んでいます。特に情報漏洩は、企業にとって大きな経営リスクです。テレワークの情報漏洩対策を怠れば、お客様の個人情報や機密データが危険にさらされ、信頼性を損なう恐れがあります。
それでは企業が情報漏洩対策の行き届いた、安全なテレワーク環境を構築するには、どうすれば良いのでしょうか?
本稿ではテレワークで情報漏洩が起きやすい原因を明確にし、その対策を7項目説明します。

目次

テレワークで情報漏洩が起きやすい原因

1.相談者が隣にいない環境

テレワーク時に「何か変だ、何かがいつもと違う」と気づいても、気軽に隣の席の同僚に相談することはできません。身近に相談相手がいないため、対応が後回しになり、そのまま放置されるなど、オフィスにいれば自然にできることが、テレワークではできなくなります。このように何か問題が起きた時に、個人対応に頼らざるを得ないのが、テレワークで情報漏洩が起きやすい原因の1つです。

2.セキュリティ意識の低下

テレワークは周囲に同僚がいるわけでもなく、精神的な自由度も高いため、セキュリティ意識が甘くなる傾向があります。オフィス内のように周囲の視線があるわけでもなく、公私の区別が曖昧なため、セキュリティポリシーの適用も難しくなります。

3.第3者リスクの増大

カフェ等の公共の場所でテレワークを行う場合、ショルダーハック(画面を覗き見されてID・パスワードを盗まれる)のように、第3者の視線にも注意する必要があります。またデバイスの紛失や盗難リスクも高まるため、パスワードロックやリモートワイプ機能の導入など、紛失や盗難時に迅速に対応できる体制を整える必要があります。

4.不適切なデバイス管理

テレワークでは、企業が従業員の使用するデバイスを、完全に管理することが難しくなります。BYOD(私用デバイスを使うこと)を禁止しても、「短時間なら良いだろう」と、業務に使ってしまうことがあり得ます。また業務用デバイスであっても、最新のセキュリティアップデートを適用していない、パスワードが長期間変更されていない等、問題が発生しやすくなります。

5.安全でない通信環境

テレワークでは、従業員が自宅やカフェなど、企業ネットワーク外からインターネットを通じて業務を行うため、通信の安全性をどのように確保するかが重要です。公衆Wi-Fiなどを利用すれば、通信内容が第三者に盗聴されるリスクがあり、また家庭内Wi-Fiを使えば、パスワードの強度や暗号化の設定が不十分な場合があり得ます。このようにテレワーク時の通信環境は、情報漏洩対策として非常に重要で、通信は常にVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用すべきです。

テレワークの情報漏洩対策、基本的な考え方

ここまでの説明でお分かりになるように、テレワークで情報漏洩が起きやすい原因は、個人ベースの対応に頼らざるを得ない点が一番大きなポイントです。そのためテレワーク環境では従業員1人1人に、高いセキュリティ意識が必要になります。そのため対策としては、教育トレーニングが不可欠になりますし、それを補う形で日々の行動規範(ルールやポリシー)が必要となり、さらに全体を支える形で技術的な対応が求められます

それでは具体的に、どのような対策をすれば良いのでしょうか。必須となる7項目を説明します。

テレワークの情報漏洩対策、必須7項目!

1. 強力な認証とアクセス制御

情報漏洩対策の一環として、強力な認証とアクセス制御を導入することは、非常に重要といえます。まず2要素認証(2FA)や多要素認証(MFA)を導入することで、単純なパスワード認証に加えて、追加のセキュリティ層を提供します。これによりユーザーはパスワードだけでなく、生体認証(例えば指紋や顔認証)や認証アプリを使用してログインすることが求められ、セキュリティが強化されます。

特に機密性の高いデータにアクセスする際は、さらなる追加の認証ステップを設けることも有効です。例えば、特定のデータにアクセスする場合に限り、追加の一時的なパスコードの入力を求めるなどです。これにより不正アクセスのリスクを、大幅に減少させることができます。

アクセス制御については、役割ベースのアクセス制御(RBAC)を活用することが推奨されます。RBACでは各ユーザーに対して、必要最低限のアクセス権限のみを与えることで、アクセス可能なデータ範囲を制限します。これにより仮に一部の認証情報が漏洩しても、影響範囲を最小限に抑えることができます。

さらに定期的にアクセス権限の見直しを行い、不要な権限を削除することも重要です。これにより長期間使用されていないアカウントや、不要なアクセス権限が放置されることを防ぎ、セキュリティリスクが低減します。

総じて強力な認証と厳格なアクセス制御を組み合わせることで、テレワーク環境における情報漏洩リスクは大幅に軽減することができると言えます。

2. VPNの利用

テレワーク環境における情報漏洩対策として、VPN(仮想プライベートネットワーク)の利用は非常に重要です。インターネット接続時にVPNを利用することで、通信が暗号化されます。これによりデータの送受信が安全に行われ、ネットワーク上でのデータの盗聴や改ざんを防ぐことができます。

例えば社員が自宅から企業ネットワークにアクセスする際、VPNを使用すれば通信内容が外部から見られなくなり保護されます。これにより企業の機密情報や個人情報が、第三者に漏れるリスクが大幅に低減されます。

さらに、VPNを利用することで、公衆Wi-Fi等のセキュリティが確保されていないネットワークからの接続も保護されます。カフェや空港などの公共の場所でインターネットを利用する場合も、VPNを使うことで通信が暗号化され、データ漏洩のリスクが低くなります。

また定期的にVPNソフトウェアをアップデートすることで、最新のセキュリティ機能やプロトコルを利用し、より安全な通信環境を維持することも重要です。こうした多層的な保護措置を講じることで、テレワーク環境における情報漏洩リスクを、さらに低減することができます。

3. デバイスのセキュリティ強化

テレワーク環境において情報漏洩を防ぐためには、デバイスのセキュリティ強化が欠かせません。まずテレワークに使用する全てのPCには、必ずアンチウイルスソフトウェアやファイアウォールをインストールし、これらのソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。これによりマルウェアや不正アクセスからデバイスを保護し、安全な作業環境を確保することができます。

さらに企業データにアクセスする全デバイス(PCやUSBなど)には、暗号化を施すことが求められます。暗号化によって、万が一デバイスが盗難に遭った場合も、データを読み取ることが困難になるため、不正なアクセスを防ぐことができます。特にメモリー領域全体の暗号化や通信の暗号化を行うことで、セキュリティレベルを一層高めることができます。

また、企業所有のデバイスと個人所有のデバイスを明確に区別することも重要です。企業データが個人デバイスに保存されないようにするために、企業が提供するデバイスだけを使用するか、個人デバイスを使用する場合はセキュリティポリシーを厳守する必要があります。例えば企業専用のVPNを利用して、企業データへのアクセスを制限し、データが外部に漏れるリスクを減少させます。

加えてリモートデバイス管理(MDM)ソフトを、導入することも効果的です。これにより企業はデバイスの状態をリモート監視し、必要に応じてセキュリティパッチの適用やデバイスのロック、データの遠隔消去を行うことができます。これらの対策を総合的に実施することで、テレワーク環境における情報漏洩リスクは大きく低減することになるでしょう。

4. 定期的なセキュリティ教育

テレワーク環境における情報漏洩対策として、従業員への定期的なセキュリティ教育は極めて重要です。まず従業員に対して、フィッシング攻撃の見分け方や安全なパスワードの作り方等、基本的なセキュリティ知識を定期的に教育することが不可欠です。このような教育により、従業員は日常業務で直面するセキュリティリスクに対して、より高い警戒心を持つことができます。

またセキュリティ教育は一度だけではなく、継続的に行うことが重要です。従業員が新たなセキュリティ脅威に対処できるよう、最新の情報や技術的な変化についての教育も、定期的に提供し続ける必要があります。例えば最新のサイバー攻撃手法や防御策についてのセミナーやオンラインコースを開催することで、常に最新の知識をアップデートするようにしましょう。

加えて従業員が自ら、学ぶ機会を設けることも重要です。例えばセキュリティに関するニュースレターや社内ポータルサイトを通じ、最新のセキュリティ情報を共有し、自発的な学習を促進してください。こうした取り組みにより、従業員全体のセキュリティ意識が向上し、企業全体としての情報漏洩リスクを大幅に減少させることができます。

総じて、定期的なセキュリティ教育を通じて、従業員のセキュリティリテラシーを向上させることは、テレワーク環境における情報漏洩対策において最も重要な要素であり、継続的な努力が必要です。

5. データのバックアップとリカバリ計画

テレワーク環境における情報漏洩対策として、データのバックアップとリカバリは非常に重要です。まず、定期的にデータをバックアップすることが必要です。これは、ランサムウェアやその他のサイバー攻撃によるデータ損失に備えるためです。バックアップを行うことで、データが破損・消失する場合でも、以前の状態に戻すことが可能になります。

さらにバックアップデータは、安全な場所に保存することが重要です。これはバックアップ自体が攻撃の対象となる可能性があるためです。例えばクラウドストレージや、オフサイトの物理的なストレージにデータを保存することで、災害や盗難によるリスクを分散させることができます。またバックアップデータは定期的に検証し、確実に復元できることを確認する必要があります。

データのリカバリ手順を明確に定めておくことも欠かせません。リカバリ手順が明確でないと、実際にデータが失われた際に迅速に対応することが難しくなります。リカバリ手順を文書化し、関係者全員に共有することで、緊急時にもスムーズに対応できる体制を整えることができます。具体的にはどのデータをどの順序で復旧するか、誰がどの役割を担うかを明確に定めることが必要です。

総じて定期的なデータのバックアップと、明確なリカバリ計画を持つことにより、テレワーク環境においても安心して業務を続けることができます。データの損失リスクを最小限に抑え、万が一の事態にも迅速に復旧できる体制を整えるようにしてください。

6. セキュアなコラボレーションツールの使用

テレワーク環境における情報漏洩対策として、セキュアなコラボレーションツールの使用は重要です。無料で提供されるサービスの中には、セキュリティが不十分なものも多く存在するため、信頼性の高い企業が提供するツールを選択することが必要です。例えば、Microsoft TeamsやSlackなどのツールは、強力なセキュリティ対策が施されているため、推奨される選択肢となります。

またこれらのツールは継続的にアップデートされ、新たなセキュリティ脅威に対応できるように進化しています。そのため企業は最新のセキュリティ対策を享受し、情報漏洩リスクを最小限に抑えることができます。これによりテレワーク環境でも安心して、ファイル共有やコミュニケーションを行うことができます。

特にファイル共有は、情報漏洩を防ぐために避けて通れない管理ポイントであり、弊社のコプリガードは利便性を損なわずに、ファイルのコピーや持ち出しを禁止できるので、テレワーク時の情報漏洩対策ソフトとして最適です。

総じてセキュアなコラボレーションツールの使用は、テレワーク環境における情報漏洩対策として不可欠な要素になります。信頼できるツールを選択し、企業データの安全を保ちつつ、効率的なコミュニケーションとファイル共有を実現してください。

7. 定期的なセキュリティ監査と脆弱性評価

テレワーク環境における情報漏洩対策として、定期的なセキュリティ監査と脆弱性評価の実施は極めて重要です。まず第三者による定期的なセキュリティ監査を実施することで、システムやネットワークの脆弱性を客観的に評価することができます。これにより潜在的なリスクを早期に発見し、適切な対策を講じることが可能となります。

定期的な監査を行うことで、新たなセキュリティ脅威に対する備えが強化され、システムの脆弱性が悪用される前に防ぐことができます。さらに、外部の専門家による監査を受けることで、内部のITチームでは気づかないような隠れたリスクや盲点を発見することができ、セキュリティの全体的なレベルを向上させることができます。

さらにセキュリティ監査と脆弱性評価は、単発のイベントではなく継続的に行うことが重要です。セキュリティ環境は常に変化しており、新たな脅威や攻撃手法が日々進化しています。そのため定期的に監査と評価を行い、常に最新のセキュリティ状態を維持することが求められます。

まとめ:対策の中心になるもの

いかがでしょうか。先にも述べたとおり、テレワークでは従業員1人1人に高いセキュリティ意識が必要になります。ですので対策としては、教育トレーニングが主体となり、それを補う形でルール・ポリシーがあり、全体を下支えする形で技術的な対応があります。くれぐれも技術的な対応に偏ることなく、人を中心に対策を進めていただくよう、よろしくお願いいたします。

以上となります。
お読みいただき、ありがとうございました。

※本記事の掲載事例は現時点での当社調べの内容です。

本記事の作成者:石川
所属:株式会社ティエスエスリンク / 営業部

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