スクリーンショットは、禁止できる?
スマートフォンやPCの画面全体や一部を、画像として保存することを「スクリーンショット(スクショ)を撮る」「画面キャプチャする」などと呼びます。情報のメモとして、あるいは残しておきたい画像などがある際にスクリーンショットはとても便利です。しかし、「撮る」は「盗る」と紙一重。著作権保護や情報漏えい防止など、セキュリティ上の理由で、スクリーンショットや画面キャプチャを禁止したい場合があります。この記事では、Webブラウザ、PDFファイル、AndroidやiPhoneなどスマホにおけるスクリーンショットを禁止する方法について解説します。
一般には、閲覧環境を制御できない場合に、完全にスクリーンショットを禁止することは難しいとされています。また、たとえ対策していても、技術的な知識があれば、スクリーンショット禁止を解除できる場合があります。記事では解除の方法についても言及します。
そして最後に、主にビジネス環境で情報漏えいを確実に防止する対策について説明します。閲覧環境のPCに専用ソフトをインストールすることで、Windowsパソコンのスクリーンショットを禁止することができます。
ブラウザのスクリーンショット禁止方法
PCのブラウザに表示された文字や画像のスクリーンショットを禁止することは、一般的には困難です。OSの 機能であるスクリーンショットは、ブラウザから禁止できません。
スクリーンショット以外のブラウザの情報漏えい対策として、簡易的な方法がいくつかあります。JavaScriptで右クリックメニューが出ないようにすることで画像の保存を禁止したり、印刷時に白紙になるCSS(bodyタグにdisplay:none)を設定する方法です。しかし、技術的な知識があれば、比較的簡単に回避されてしまいます。
一方で会社や事業所などで、ユーザーの閲覧環境を制御できる場合には、ブラウザのスクリーンショットを根本的に禁止することは可能であり、それについては最後に解説します。
PDFのスクリーンショット禁止方法
PDFのスクリーンショットを禁止することもまた、一般的には困難です。ただし、PDFファイルのセキュリティ設定を行うことで印刷を禁止することができます。しかし、こちらも技術的な知識があれば回避されてしまいます。
会社や事業所などで、ユーザーの閲覧環境を制御できる場合には、PDFのスクリーンショットを根本的に禁止することが可能であり、それについても最後に解説します。
iPhone / Androidでのスクリーンショット禁止・解除方法
スマートフォンで利用する映像コンテンツや、ゲームなどのアプリ、あるいは決済などのアプリで、著作権保護やセキュリティ上の理由でスクリーンショットを禁止しているアプリケーションが存在します。スクリーンショットを撮ろうとすると「スクリーンショットの作成はアプリまたは組織で許可されていません」などのエラー表示が出ます。
一方でエミュレータを使う方法や、アプリのPC版を使ってスクリーンショットを撮る方法など、さまざまな回避方法の情報が出回っており、回避方法が存在する場合も少なくありません。
カメラで画面を直接撮影されてしまうのを防ぐ方法
たとえスクリーンショットを禁止しても、モニターや画面をカメラで撮影すれば、画像の質は落ちますがスクリーンショットと同等の画像を保存することはできます。
こうしたリスクに対応して、画面をカメラで撮影すると、撮影画像に走査線等のノイズが出現し、判読できないようにする情報漏えい製品が存在します。しかし、目には見えないものの、画面上にノイズを常に発生させているため、長期間業務としてモニターを注視させ続けることは労働衛生上の懸念があり、解決方法のひとつにとどまっています。
もっとも一般的な解決方法は、執務室に入室する際にスマートフォンやカメラ、USBなどの一切の私物をロッカーに預けることを、雇用契約や就業規則で定めることです。さまざまな保安上の目的で、制服にポケットが存在しないコンビニチェーンがありますが、そこにはスマートフォンやカメラ、USBなどの持ち込みをできないようにする役割もあります。
Windowsのスクリーンショット禁止方法
会社や各種団体など、組織内で使用するPC等で、閲覧環境を制御できる場合は、システム管理者が機能制限したり、制御ソフトを利用することで、スクリーンショットを完全に禁止することができます。
たとえば、Windowsのグループポリシーの設定によって、Windowsに標準で搭載されているスクリーンショットのためのツールの起動をできないようにしたり、あるいはプリンタでの印刷を禁止できます。
ただし、こうした方法では、情報漏えいを防ぎたい情報だけでなく、スクリーンショットや印刷をすべて一括で禁止することになるため、業務上の利便性を損ねる場合もあり、適用範囲やルールを考え、正しく運用する別の手間が発生します。
(TSS LINK製品を使った)本格な対策方法の説明
本記事を執筆する株式会社ティエスエスリンクは、企業のWebシステムやファイルサーバー、メール配布などで共有された個人情報、知的財産、機密情報、技術情報(PDFやその他ファイル形式)について、閲覧環境(アプリ)を制御することにより、高い利便性を保ったまま情報漏えい防止できるソフトを販売しています。
グループウェアなどのWebシステムで共有されたブラウザに表示された情報を、スクリーンショットやダウンロード、印刷されることから保護する「パイレーツバスター AWP」、ファイルサーバに保存されたファイルのコピーや印刷、そしてスクリーンショットを禁止する「コプリガード」、取引先とファイルを共有する際に暗号化することで、閲覧限定にしたりスクリーンショット禁止したりする「トランセーファーBASIC」の3つの製品で、さまざまなスクリーンショットを禁止したい要求に応えます。
以下に機能比較しますのでご参考ください。
対策製品の比較表
製品名 | パイレーツバスター | コプリガード | トランセーファー |
機能 | ブラウザーからファイルダウンロードを禁止 | PCやファイルサーバ上のファイル保護 | 配布ファイルを暗号化と利用制御で保護 |
プリントスクリーンキー(スクリーンショット)禁止 | ○ | ○ | ○ |
画面キャプチャ禁止 | ○ | ○ | ○ |
ダウンロード(保存) 禁止 | ○ | ○ | × ダウンロード可だが、暗号化により閲覧不可 |
ファイルコピー禁止 | ― ブラウザ表示のみ | ○ 重要領域外へ持ち出し禁止 | × コピー可だが。暗号化により閲覧不可 |
印刷禁止 | ○ | ○ | ○ |
メール添付禁止 | ― ブラウザ表示のみ | ○ | × 添付可だが、暗号化により閲覧不可 |
配布先の閲覧制限 | ― ブラウザ表示のみ | ― 社外に配付不可 | ○ |
配布後の自動削除 | ― ブラウザ表示のみ | ― 社外に配付不可 | ○ |
特に「コプリガード」は、ファイルサーバー上のファイルの印刷、テキストのコピー、スクリーンショット撮影、ファイルダウンロードを禁止することができます。ファイルの閲覧や編集は従来どおり可能なので、利便性も担保できるところが特徴です。
まとめ
- スクリーンショットや画面キャプチャは便利な機能ですが企業や組織の立場で考える情報漏えいのリスクでもあります
- AndroidやiPhoneなどのスマートフォンでスクリーンショットが禁止されていることがありますが、さまざまな解除方法の情報もまたたくさん存在します
- 通常、PDFやWebブラウザのスクリーンショットを禁止することは非常に困難か不可能とされています
- ただし、企業や組織の閲覧環境を制御できるWindows PCにおける、スクリーンショットを禁止するソフトウェアをティエスエスリンクが開発しており、用途に応じて3つの製品、(1)「パイレーツバスター AWP」、(2)「コプリガード」、(3)「トランセーファー」を提供しています。
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