
「機密データを送るから、とりあえずZIPファイルにパスワードをかけてメールで送ろう」 ビジネスシーンで当たり前のように行われてきたこの対策ですが、ちょっと待ってください。
実はその方法、日本のセキュリティ新基準や大企業・官公庁では、すでに「NG(禁止)」とされていることをご存知ですか?
本記事では、WindowsやMacでパスワード付きZIPファイルを作成・解凍する手順を分かりやすく解説します。しかし同時に、なぜ今その方法が危険視されているのか、そして取引先から信頼を失わないための「本当に安全な最新のファイル保護対策」までを徹底解説します。
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目次
- パスワード付きZIPの利用目的
- ZIPファイルにパスワードを設定する方法
- ZIPファイルのパスワードを解除する方法
- ZIPファイル生成時のよくある課題やトラブル
- PDFやExcelでパスワードを設定する方法
- なぜ、国や大企業は「パスワード付きZIP」を禁止したのか?
- クラウドストレージ共有の「大きな盲点」
- 現代的でセキュアなファイル共有の方法
- 「送った後も守れる」対策で、安全にファイルを共有
パスワード付きZIPの利用目的
パスワード付きZIPのメール添付は、セキュリティ対策としてビジネスシーンで広く利用されてきました。その主な目的と最近の動向について解説します。
ファイル送信時の圧縮と情報漏洩対策
そもそも、ZIPファイルをメール添付する理由には、回線速度や容量制限が厳しい時代に、ファイルサイズを圧縮する目的がありました。さらに情報漏洩対策として、パスワード付きZIPとパスワードを別メールで送付する運用(PPAP)が普及しました。
パスワードがかかっていれば、第三者にファイルが漏洩した場合もセキュリティが担保できるとする考え方で、これは現代において、パスワード付きの暗号化USBを用いて紛失対策をおこなうのと似た発想といえるでしょう。
政府や大企業にも脱PPAPの動き
パスワード付きZIPとパスワードを別メールで送付する運用をPPAPと呼びますが、後述するセキュリティ上の問題が指摘されるようになり、2020年ごろから、政府や大企業が相次いで脱PPAPを宣言するなど、廃止される流れが強まっています。
発注側となることが多い大企業側が積極的に脱PPAPを宣言することで、関連会社や取引先とのやり取りでも、脱PPAPが進んでいくと期待されます。
ZIP送信(PPAP)は、セキュリティ対策として課題がある
と、お考えではありませんか?

ZIPファイルにパスワードを設定する方法
脱PPAPの流れがあるといっても、内規で外部サービスが利用できない場合など、現実にはパスワード付きZIPでのやりとりも、まだ残っています。ここでは、WindowsパソコンやMacでパスワード付きZIPを作成する方法を説明していきます。
Windowsパソコンでパスワード付きZIPの作り方
最新のWindowsパソコン(2024年9月現在、Windows11Pro 23H2)では、パスワード付きではないZIPファイルなら、標準機能で作成できます。
その方法は簡単で、ファイルやフォルダを右クリックして出てくるメニューで[圧縮先]→[ZIPファイル]を選ぶだけです。同階層に同名のZIPファイルが作成されるので、後はメールに添付して、先方に送付してください。

一方、Windowsパソコンは標準機能でパスワード付きZIPの作成には対応していないという問題があります。そのため、Windowsパソコンでパスワード付きZIPを作成するには、圧縮ソフトの追加導入が必要です。
圧縮ソフトを追加導入する方法には、いくかのアプローチが考えられます。
・個人個人でフリーソフトを導入する
・企業で指定した圧縮ソフトを導入する
・取引先と統一した圧縮ソフトを導入する
個人個人でフリーソフトを導入する
個人個人でフリーソフトを導入する方法には、未検証で文字化け等のトラブルが起きたり、セキュリティが高い企業では個人判断でユーティリティソフトをインストールできない等の問題があります。
取引先と統一した圧縮ソフトを導入する
PPAP運用が取引先からの指定である場合は、使用ソフトを確認して統一する、その旨情報システム部門に許可を取る等の運用も考えられます。
たとえば、より暗号化強度が高くパスワード解読に強い暗号化形式AES-256を使用するには、解凍側もAES-256に対応したソフトを導入している必要があります。使用ソフトを統一することで、操作や文字化けなどのトラブルを避けられるメリットがあります。
企業で指定したソフトを導入する
他に、パスワード付きZIPが取引上必要な場面もあることを勘案して、企業側で指定したソフトをインストール可能とする運用があります。
フリーソフトでは品質やサポートが不安な場合、ティエスエスリンクの「トランセーファーBASIC」等、有償の企業向けソフトの導入も選択肢です。
Macでパスワード付きZIPを作成する方法
最新のMac(2024年9月現在、Sonoma以降)では、標準機能でZIPファイルを作成できます。
まず、パスワード付きではないZIPを作成する方法は簡単で、ファイルやフォルダを右クリックして出てくるメニューで[“(ファイル名)”を圧縮]を選ぶだけです。そうすると、同階層に同名のZIPファイルが作成されるので、後はメール添付して、先方に送付してください。

次に、Macでは標準機能でパスワード付きZIPの作成に対応していますが、ターミナル(黒い画面)での操作が必要です。
手順
(1)アプリケーションの[ユーティリティ]の中にある「ターミナル」を起動する
(2)ターミナルに cd Desktopと入力し、圧縮ファイルがデスクトップに作成されるようにする
(3)ターミナルに、ZIPファイル操作コマンドを入力する
例)zip -e [圧縮時のファイル名] [圧縮したいファイル名]
(4)圧縮ファイルがデスクトップに作成される。
ただし、ターミナル(黒い画面)での操作が難しい場合は、圧縮ソフトの導入を検討してもよいかもしれません。
ZIPファイルのパスワードを解除する方法
メールでパスワード付きZIPファイルを受け取った後、解凍して中身を見る手順について説明します。
WindowsでZIPファイルのパスワードを解除する方法
ZIPファイルの解凍には、Windowsも標準機能で対応しています。ZIPファイルの右クリックメニューで[すべて展開…]を選ぶと、展開先を指定するダイアログが表示されます。標準では、ZIPファイルがあるのと同じ場所に展開されます。
パスワード付きZIPの場合は、同様の操作で、展開時にパスワードを入力してください。
▼ZIPファイルの右クリックメニュー

▼ZIPファイルの展開操作

MacでZIPファイルのパスワードを解除する方法
Macの場合も、パスワード付きZIPの解凍に追加ソフトの導入は不要です。ZIPファイルをダブルクリックしてパスワードを入力すれば、同階層にファイル・フォルダが解凍されます。
ZIPファイル生成時のよくある課題やトラブル
Q. ZIPファイルが解凍できずエラーが表示される
OSが標準対応していない暗号化方式の可能性があります。Windows/MacではZipCryptoと、より暗号化強度が高いAES-256方式のうち、ZipCryptoのみ対応しています。AES-256方式に対応した圧縮ソフトを導入する等を検討してください。

Q. 複数ファイルやフォルダを圧縮したい
ZIPではフォルダ単位の圧縮にも対応しているため、複数ファイル/フォルダを格納したフォルダを作り、そのフォルダを圧縮しましょう。
Q. ZIPファイルのパスワードがわからなくなった
メールの送信元にパスワードを問い合わせるか、改めてメールを再送してもらいましょう。
Q. MacからWindowsに送ったZIPファイルを解凍するとファイル名が文字化けすることがある
OS間でファイル名の文字コードが異なることが原因です。圧縮ソフトにより操作が異なりますが、文字化けを回避する設定項目があるか確認しましょう。また、ティエスエスリンクの「セキュアプライムFE」等、文字化けしない実績がある圧縮ソフトを使用しましょう。
Q. ZIPファイルにパスワードを設定したのに、パスワードなしで解凍できる
Windowsパソコンでは、一旦開いたZIPのパスワードをOS側が一時的に記憶するため、次回パスワード入力なしにパスワード付きZIPを開けます。便利な機能ですが、パスワードの動作確認には不便です。代替案として、同僚や別のマシンに送ってパスワード入力画面が出るか確認してもらう方法もあります。
Q. Macから送られてきたファイルに、不要なファイルが紛れ込んでいる
MacからWindowsにZIPファイルを送信すると、「.DS_Store」という不要なファイルが混じっていることがあります。これはMacだけが使用しているOS関係の隠しファイルです。Macの隠しファイルを対象外にする設定項目がある圧縮ソフトもあります。
Q. スマホでメール添付のパスワード付きZIPの中身を閲覧する方法は?
iPhoneでは、プレビュー機能でZIPファイルの中身の閲覧に対応しています。パスワード付きZIPの場合は一旦ダウンロードした後、標準の「ファイル」アプリから開くと中身を閲覧できます。
Androidの場合、通常のZIPファイルはGoogle公式の「Files by Google」アプリから閲覧可能です。パスワード付きZIPを閲覧したい場合、対応するソフトの導入が必要です。
PDFやExcelでパスワードを設定する方法
関係者のみの閲覧・編集にとどめるため、PDFやExcelファイルにパスワードを設定する方法も、よく行われています。
PDFファイルにパスワードを設定する方法
PDFを閲覧するだけなら、無料の「Adobe Acrobat Reader」だけでOKですが、PDFファイルにパスワードを設定するには、有償のPDF編集ソフト「Adobe Acrobat Pro」が必要です。
具体的な設定手順は、Adobe社のヘルプをご確認ください。
Word/Excelファイルにパスワードを設定する方法
Word/Excelでは、標準機能でファイルにパスワードを設定できます。具体的な設定手順は、Microsoft社のWordのヘルプとExcelのヘルプをご確認ください。
なぜ、国や大企業は「パスワード付きZIP」を禁止したのか?
ここまでパスワード付きZIPの作り方を解説してきましたが、現代のビジネスにおいて、この方法は「PPAP(ピーピーエーピー)」と呼ばれ、急速に廃止が進んでいます。2020年の政府発表を皮切りに、2026年現在では多くの大企業や官公庁が「パスワード付きZIPの受信拒否」へ舵を切っており、取引先へメールが届かなくなる実害が本格化しつつあります。
PPAPはなぜここまで嫌われるのでしょうか?そこには3つの致命的な不都合な真実があるからです。
セキュリティ効果は「ほぼゼロ」
PPAPでは、パスワード付きZIPとそのパスワードを別々のメールで送信しますが、これはメール盗聴に対して十分な対策とはいえません。
メール自体が盗聴されていた場合、ファイルもパスワードも両方とも攻撃者の手に渡ってしまいます。同じ通信経路(メール)で送っている以上、このリスクは防げません。
誤送信や、解凍後の不正利用のリスク
メールの誤送信はどれだけ注意しても無くなりません。パスワード付きZIPを間違った相手に送ってしまった場合、相手のPCにダウンロードされたファイルを、あなたの手元からリモートで消去することは不可能です。
簡単なパスワードは現代の解析ツールを使えば数秒で解読されてしまうため、「パスワードを教えなければ大丈夫」という油断は通用しません。
また、一度解答されたファイルは「平文」にもどり、その後の編集やコピー、印刷を阻止できません。
ZIPの暗号化は「経路上の保護」には有効ですが、手元に届いた後の「不正な持ち出し」には無力です。
「セキュリティ意識の低い会社」と見なされるリスク
取引先が「脱PPAP(ZIP廃止)」を掲げている場合、そこにパスワード付きZIPを送り続けることは、自社のセキュリティ体制の遅れをアピールしているようなものです。
最悪の場合、「リスクがあるため、お取引を継続できない」と、ビジネスチャンスを失う原因にもなりかねます。
クラウドストレージ共有の「大きな盲点」
「じゃあ、BoxやOneDrive、GoogleドライブのURL共有を使えば安全なのか?」というと、実はここにも最大の盲点が隠されています。
それは、「相手が一度ファイルをダウンロードしてしまったら、その後は自由にコピーも、印刷も、第三者への流出もできてしまう」という点です。
どれだけ安全なクラウドを使っても、相手の手元に渡った瞬間に、そのファイルはあなたの管理下から完全に離れてしまいます。退職する社員による持ち出しや、取引先からの二次漏洩を防ぐことはできません。
現代的でセキュアなファイル共有の方法
手元を離れたファイルの利用方法を、あらかじめコントロール。
「トランセーファー」という解決策
パスワード付きZIPの手間とリスクを無くし、クラウド共有の弱点(ダウンロード後の流出)も克服する。それが、情報漏洩対策ソフト「トランセーファー」です。
トランセーファーを使えば、相手に送った(ダウンロードされた)後のファイルの利用権限を、あらかじめ設定することができます。

コピー・印刷・画面キャプチャーを「禁止」
相手のPC画面上で「閲覧」させることしか許可しません。データの書き出しや印刷による不正流出を根絶します。
閲覧できるPCや期間を「限定」
「指定したプロジェクトメンバーのPCだけ」「今月末まで」といった緻密な権限設定が可能。期間を過ぎると、相手のPC内にあるファイルは自動的に開けなくなります。
誰でもすぐ使えるので、社内教育は不要
ファイルをドラッグ&ドロップして、パスワードを設定するだけです。極めて簡単なので、操作習得の社内教育は不要です。
パスワード付きZIPの運用に限界を感じている、または、一歩進んだ「脱PPAP対策」を講じたい企業のセキュリティ担当者様・情シス担当者様から選ばれています。
ZIP送信(PPAP)は、セキュリティ対策として課題がある
とお考えではありませんか?

「送った後も守れる」対策で、安全にファイルを共有
本記事では、Windowsパソコンをメインに、パスワード付きZIPの作り方や解凍方法について説明しました。一方、パスワード付きZIPのメール添付は、セキュリティ対策としての実効性に乏しいことが指摘され、政府や大企業も廃止する方向性で動いています。
これからの時代に企業に求められるのは、単にファイルを暗号化して送ることではありません。「相手の手に渡った後でも、不正な二次利用をされない」を仕組みを作ることです。
「トランセーファー」は、それを最も簡単、かつ確実に実現できるソリューションです。
本記事の作成者:村澤
所属:株式会社ティエスエスリンク / 営業部

企業と個人のための「情報漏洩対策ソフト」:基礎から高度な選択まで
「情報漏洩対策ソフト」は、多様なニーズに対応しています。ファイルの持ち出し制限、USB管理、ファイル交換ソフトの制限など、基本的な機能から高度なセキュリティ要件まで、限られた予算内で、最適なソフトの選定方法と、導入の流れをこの記事で解説します。
